2006/10/29

キルト・ナショナル顛末記-5

これが晴天のへきれき?
アセンを後にしてNYで約1週間を過ごしボストンへ行き、NEQMを再訪して、帰国しました。
いくつかのトラブルもあったものの、楽しく充実した旅が出来、またアセンに行きたい、今回の幸運がまぐれではないと思うためにも もう一度挑戦して入選したい、という意欲も湧いての帰途でした。

帰宅するとヒラリーさんからメールです。
「Best of Showの○○さんの作品は過去に展示された事が判り、入選、受賞を取り消します」
--まぁ、お気の毒。せっかく素晴らしい賞を貰ったのに・・
  でも、正直で誠実な人柄なのね。 これがアメリカ人の精神なのかしら?--

数日後、「新しいBest of Showは△△さんに決まりました」
--ドーピングで繰り上げ金メダルって事ね--

そしてまた数日後、「QNには新しい作品のみエントリー出来ます。国際的なコンペディション、例えばパデューカ、ヒューストン、その他、ローカルな展示も認めません」
--え? ええぇ~! そんなぁ~~! ほんとぉ~~?
  私のキルトはヒューストンとシカゴで展示されたものです。 うっそ~~!--

この時まで 自分も違反しているなんて ちっとも気付いていませんでした。 
通るはずないと思っていたし、ホンの気まぐれでスライドを送ったので サイトを開けたものの 大量の英語でルールを読んでいなかったのです。

私の読み違いかも?と読み直してみますが 間違えるほど難しい英語は書かれていません。 何度読み直しても同じです。
一人、重苦しい一日を過ごしました。
どうすれば良いのか? 答えは初めから判っていました。
でも、未練がましく 黙っているという選択肢も考えてみました。

今まで生きてきた半世紀で 嘘をついたこともあるし、その方が穏便に済むと思えば口を閉ざしていた事も多々あります。
それに スピード違反や駐車違反では随分国庫にも貢献してきました。
決して 真面目でも誠実でもない、要領がよく適当な人間です。
でも、好きでのめり込んで来たキルト、これからも続けたいキルト、この世界で嘘をついて行きたくない。 そんな事をしたら、もし今後コンテストに入選しても今までのように素直に喜べないだろう。
ほかの人が知らなくても 私は知っているのだから。
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2006/10/26

キルト・ナショナル顛末記-4

レセプションで
レセプション

オープンの前日、夕方から展示会場で各賞の授賞式がありました。
舞台もなく、スポットライトも、勿論、ファンファーレもありません。
各賞は数ヶ月前に発表されているので「感激!」という場面もなく、二言三言主催者と言葉を交わして実にあっさりと封筒を受け取ります。 
それぞれの方たちは有名なアーティストです。 慣れているのかもしれません。

その後、近くのホテルでのディナーですが メインのビーフ、チキン、菜食のどれにするかは 数ヶ月前に書類が来ていました。
サラダは山のようで 内心(私は馬かい?)
頼んだビーフは わらじの大きさ、それに一度ボイルしてから焼いたように脂はなく美味しくない、というより青汁のCMです。
付け合せのマッシュポテトは粉に水を入れて作るインスタントみたい。
(これ、いやらしいくらいにバター臭いのよね)
それとなく隣のアメリカンを見ると やはり残しています。
チキンを頼んだ人に聞いてみると、胸肉でぱさぱさ、不味いとの返事。
それでは菜食はどんなものがあるかしら?と思いましたが 近くでは見当たりません。 (私は何をしに行ったんだか?)
デザートは8cm位の立方体のチョコレートケーキです。(デカ!) メインでは満足出来なかったので 甘党の私はこれで凌ごうと思いましたが やはり無理。 珈琲は・・・ん、もう!
アメリカには何度か旅行しましたが これ程インパクトのある食事は初めてでした。
私、自慢ではありませんが インドでも、カンボジアでも現地の食事を完食してきました。 お腹も壊さずに。 でもこのディナーは殆ど残しました。 感動で胸が一杯だったと言う事にしておきましょう。

その後、同じ部屋でオークションがあり、作品の値がつりあがって行きます。 主催者側には作者だけでなく ギャラリー経営者、コレクターなどもいるので その人たちが主に参加しているようで値をつける人が限られています。 携帯でご主人に連絡しながら参加している人も。
でも、私が見る限り馴れ合い?やらせ?と思える節も??????
もし作者がいたらどんな気持ちで見ているのかしら?とそちらの方に興味がわきました。

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2006/10/23

キルト・ナショナル顛末記-3

どうやっていくの?
デイリーバーン・レンガ

幸運にも何度かアメリカのコンテストには入選しましたが、これまで一度も行こうと思ったことはありませんでした。 キルトが完成し、撮影に出すと気持ちは次のことに移っているので スライドを送り、審査の結果が来た時には 「はい、完了!」という感じだったのです。
それにヒューストンやNEQMには 以前行った事があったので 想像が出来ました。
でも、今回は入選が判ったと同時に「行く!」
こんな経験は2度あるかどうか判りません。 

とは言いながら オハイオはどこ? アセンってどこ?
まだGoogle Map で検索する知識もない頃です。
アメリカのガイドブックを見ても オハイオの事はほとんど載っていません。
その年の暮れ、日本橋三越で開催された「世界のキルト100人展」で以前入選した方とお会いし、色々と参考になるお話を伺うことが出来ました。

かつて添乗員をしていた古い友人を誘い、アセンに2泊 NYに6日、その後ローレルではちょうど 「Let's enjoy life!」が展示されているので 一人でボストンに2泊して、カナダに廻った友人とシカゴの空港で落ち合って戻ることにしました。
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2006/10/19

キルト・ナショナル顛末記-2

Qと言う字
それは9月15日の朝の事でした。
この夏は 毎朝PCを開けると何通もの外国人名でクリップ付きのメールが来ていました。 
私にメールが来る外国人といえば片手でも余る程度ですし、年に1,2度の事。(♪幸せを数えたら片手でも余る~なんて歌がありましたっけ・・古!)
とに角、とっと、とっとと削除、削除。
んん? 今のはQと言う字が書いてあった?
キルター(Quilter)の端くれとしては Qと言う字には敏感に反応するのです。
メールをもう一度見ると ヒラリー・フレッチャーと言う人からの「Good news from QN」
フレッチャーとは誰じゃ? QNとはもしや?
でも、まだ締め切りから10日しか経っていません。
恐る恐る開けて見ると・・・
「下のタイトルにあなたの作品があれば 書類は2重に送る必要はありません。」とあり、いくつものタイトルが列記されています。 でも私の作品のタイトルはありません。 
そうですよね、この文面からすると2点入選した人に対する文です。
でも? もしや? ド、ド、ドッ(心臓の音)
これには お約束の「Congratulation」とか「あなたの作品は選ばれました」とか書かれていません。 遠まわしな言い方は困ります。

もう、どうしたらいいの?
知人の手芸関係の翻訳や通訳をしているNさんにメールです。「助けてぇ~!」 
いつもならすぐ返事が来るのに来ない・・電話しても留守電・・
私の心臓はバクバク・・・ 
とりあえず、目の前のキルティングをしようとしても落ち着いていられません。
やっと連絡が付き メールを転送すると「確認したら?」と冷静でごもっともなアドバイス。 
「私は入選したのでしょうか?」と英文まで送ってくれました。
それを貼り付けて返信すると・・・・・
「私は入選した人にだけメールを送りました。 ○×△、あなたはキルト・ナショナルに入選したのですよ。添付した書類に記入して送ってください」
血圧はきっと 最高を記録していた事でしょう。


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2006/10/16

キルト・ナショナル顛末記-1

青い空
キルト・ナショナル・・・
アメリカのアートキルト(コンテンポラリーキルト)のコンテストで世界で一番難しいといわれています。 世界中のキルトアーティストが目標にし、憧れてもいます。 
私も一度は通ってみたいというのが夢でした。でもこれは夢見る夢子さん的な願望で アメリカのコンテストにいくつか入選したからと言っても問題にならない位の高い、高い峰なのです。

前作の「Let's enjoy life !」をミシンの調子が悪く、キルティングを縫っては解き、締め切りを考えながら焦って、汗だくになって縫っていた04年8月末のことです。
いよいよ20年使ったミシンを諦めて 買い換える事にしました。
ミシン屋さんに電話をして持ってきてもらうことになりましたが 2日は空いてしまいます。 
ポッと空いた時間に「そういえばキルト・ナショナルの締め切りは今頃だったかな?」と思い出し、サイトを開けてみると9月5日が締め切りとありました。 
EMSで送れば 3,4日で届きます。

以前、「Step by Step」が完成した時にリサに見せると 「キルト・ナショナルに出したら?」と勧められました。 私はつぶらな瞳を目一杯大きくして 顔の前で手を振り、「とぉ~~んでもない。これはヒューストンに出す積りなの」と答えました。
私にとってヒューストンが目に見える頂上で、キルト・ナショナルは雲の上の全容が見えない頂でした。

その時のスライドがたくさん残っていました。
「送ってみようかしら? 記念受験って言うのもあるし、切手代だけですむし・・」
「こんなのを送ったら呆れられるかも」
エントリー用紙に書き込み 送る用意は出来たものの、迷っていました。
9月1日。送るならもう猶予はありません。 意を決して郵便局に出し、外に出ると空は雲一つない見事な青空でした。 その日は6年生の時に亡くなった父の命日です。
「お父さん、私にGood Lookをね」青い空に向かい心の中で祈りました。入試の時も、就職試験の時も、父に祈るなんてした事がなかった私が・・・

新しいミシンが届き、心地よい軽い音、美しいステッチにルンルン気分でキルティングを続け、エントリーした事はすっかり忘れていました。
とに角急いで仕上げないと間に合いません。
 
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2006/10/12

Let's enjoy life !

染め

これは古い胴裏をターメリックで染めたものです。
ターメリックは調味料売場にあるマコーミックのビン入りで、色が微妙に違うのは 染める時間、ターメリックの量、媒染(鉄、銅)によります。
私は時々台所にある材料で好みの色をつくります。 珈琲、紅茶、玉葱の皮、ターメリック・・・
染めと言うと、大変そうと思われる方が多いようですが いい加減な私は適当な量で適当な時間で 「こんなもんでいいかなぁ」です。

04年、翌年ボストンで開催予定の世界ろうけつ染め会議にリンクしてNEQM(New England Quilt Museum)ではバティック(ロウケツ染め)を使ったキルトのコンテストがありました。
「ん、作ろう!」
少しの間ですが、ロウケツ染めではなく藍染めをしていた事があります。
藍のロウケツ染めの布を近所の生地屋さんで捜しましたが気に入ったものがなく、諦めようと思ったときに違う生地屋さんでインドシルクのバティックを見つけました。 ケイト屋という名前の生地屋さんです。
服地としてはギョッ!とする色合いでしたが、私が作ろうとしていたキルトにはぴったりです。 それと一緒に使うために 染めました。
以前ホフマンチャレンジで使ったテッセレーションのデザインをいつかカラフルに使ってみたいと思っていたので いい機会です。

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2006/10/08

東京は迷路-3 (最終章)

ここまでではまだ全体の様子が自分でもわかりません。
もしかしたら どこかの布を差し替えることになるかも知れないと思いながら 
型紙を外します。
まぁ、これでいい事にしよう!

東京は迷路ー5


いつも”今度はちょっと違う事をしよう”と悪戯心が湧いてくるので
キルティングをどうするかは全く考えませんでした。
その浴衣地の柄に合わせて その時々に思いつくまま・・・
いいかげんです、はい!
このキルト自体が トラッドなキルトを作る方から見れば、邪道だぁ!
と言われそうな作り方です。
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2006/10/05

東京は迷路-2 捨てられない

作るのが楽しいと翌日の段取りを寝る前に考えます。
明日はまずアレをしてから こうして・・・と。
すると、眠れなくなってしまう事もしばしばです。

東京は迷路ー3

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2006/10/02

東京は迷路-1 見なかったことに 

今年の夏は2点の作品を作りました。
「戸惑う蜂たち」と「Tokyo Meiro.com」です。
2点共あるコンテストに応募しましたが 結果が出るのは先のことです。
主催者に「自分のHPに載せたものでも良いですか?」と聞いてみましたが 詳しい人が今居ないので折り返し電話しますとのお返事。
でも、2日待っても連絡がないので もう一度電話すると
「ブログやHPは不特定多数の人が見るので 展示された時にどこかで見たと問い合わせがあった場合に答えられないと困る」との返事でした。
「では、応募用紙にURLを書けば良いですか?」と聞くと
しぶしぶと言う様子で 了解されました。

このブログをご覧になっている方は ごくわずかだと思うのですが、カウンターをつけていないので 私も把握できません。
もし、万が一、入選し展示されても決して主催者に「見た」なんて連絡しないで下さいね。
この欄は見なかったことに、シ---ッですよ。

「戸惑う蜂たち」は以前少しご覧頂いたので 「Tokyo Meiro.com」の途中までをご覧頂きたいと思います。
キルトを作る方には 「へぇ~~~、こんな作り方もありィ~~?」
作らない方には 「こんなに簡単? 私にも出来るかしら?」なんて思っていただけたら。
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去年NYに行った思い出に マンハッタンの地下鉄の路線図をキルトにしました。 
その時、「今度は東京の地下鉄を」と思ったものの、その複雑に絡み合った路線と道路を想像しただけで 即、諦めました。

今年のお盆の頃、東京メトロの「東京はおもしろい」というコピーのテレビCMが流れました。「お盆で上京する人が多いからね」と思いながらボーっと見ていると画面の下に”Tokyo ○○○○○.com”という大きめの字幕が・・・
ビビッと来ました。 これをタイトルにしよう!
そう思ったら アイデアが色々と出てきたのです。
路線はメトロ(旧営団地下鉄)の路線だけにしよう!
ベースは23区をデフォルメして、複雑な境界線は縫い合わせずに上からジグザグにミシンで叩こう! 
この間、友人がくれた立浪部屋の浴衣地がぴったりかも?

東京は迷路ー1

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